さっき、また出張先のAから電話がきて。
「絶対怒らないで聞いて。さっき、正式に会社の人達の前と取引先の人達の前で、◯◯に好きな人がいて結婚する予定です、って話しちゃった!!」
あー、びっくりしたー!
全然、怒るようなことじゃないじゃーん。
女性に襲われてキスされたとかそんな話かと心配したじゃん。
まあ、知ってる人は知ってるし、社長にもそれらしき話はしてあるそうなんだけど、正式に、あらたまって報告したそうです。
知らなかった人達は「やっぱりね〜〜そうだと思ってた!おめでとう!」と祝福してくれたらしい。
男が会社の人達に報告するんだから、これは相当な覚悟が無いとできないことだろう。
やはり、Aは本気だし、
私とAは結婚するのだ。
「Hさんに文書は出した?」
「まだ…。あなた、22日あたりに出すといいんじゃない?って言ってたから…」
「うん、でも早いほうがいいかもね。一個一個、色んなことを進めていこう」
「じゃ、明日、出してくるね」
というわけで、明日、Hに文書を出してくる。
「いつも、貴女が脅かされてる側だから、自分がされた時には、Hさんは物凄く怖がると思うよ。下手したら、あちらから訪ねてきて泣きついてくるかもね」
え…そんなことになったら困りますよ。
あなたは、あと数日でそのまま海外へ行くのに、その間、奴が訪ねてきたらどうなるの。
Aという婚約者がいる以上、何があっても私はHとは会わないよ。でも「頼む、開けてくれ。俺、死にそうなんだ」と言われたら、ドア開けてしまいそう……。